2010/07/20

『 イカ BCPの構図 』

(写真をクリックしてご覧下さい)
◆BCPの定義:本来BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は、個々の企業・組織が決めた『中核事業』を優先位順に従って『重要業務』と予め定めておき、危機遭遇時に事業中断が生じた時に、継続・縮小・撤退 等いかに取り組むかの経営判断(BIA分析等)に基づくマネジメントシステムである。ISOの様に予め適用範囲を決める事は、本来企業の生き残りをかけるBCPではナンセンスと考えている。(私見)

◆一般に誤解されているBCP=防災対策でいう遭遇する危機(地震・感染症など)は“事象”に過ぎず、BCP=重要業務の明確化・目標復旧時間(RTO)の段階では“事象”は考慮されず、次のリスク分析以降直面した際の対策の段階で初めて考慮される。例えば新型インフルエンザでは、BCPは『中核事業』の業務の性格上、継続・休止・縮小と3つに区分され、法務(供給責任・取引契約)・労務(雇用条件・安衛対応)・人繰り(業務運営)を指し、マスク・消毒等は感染症対策であってBCPではない。

◆これまたBCP=防災対策と誤解され易いのだが、企業であっても人間集団なので危機遭遇時、狼狽する状態では的確な経営判断が期待出来ない。BCPの発動は防災対策とパラレル(並行)して行われる事が多いので、事前の想定訓練実施・改善・見直しがしっかりなされていたか、否かでBCPの機能可否が決まってしまう。だからまずはBCP策定の段階では、絵に書いた餅に過ぎず役に立たない、策定直後から机上・実働訓練を2,3回行って初めてBCP・BCM構築がなされた事になる。


    ・・・くどいが、もう一度ご説明します・・・


◆【“イカの体型”をイメージしたBCP】とは、とかくBCPは地震等に対する
  防災対策と誤解され易い先入観を最初から払拭する為に、中核事業
 (重要業務)の継続と、それを妨げる事象(地震・火事・風評等のリスク) 
  を分けて考える様に私が考えた“BCPイメージの姿”で深い意味は
  ありません。

【1】 BCPは“イカの体型”をイメージして下さい

     
   イカの上の△はBIA分析(ビジネス影響度評価分析)の箇所で
   絶えずヒラヒラと事業への影響度評価やリスク分析をやっている                    
     
   胴体の大きい△は、重要業務(中核事業)の当たる部分で事業の
   中断事象が発生した時に、あらかじめ生命維持(事業継続)の
   選択の判断基準を3つ(例えば)持っている  
   
   (1)重要業務(中核事業)を止めない
   (2)重要業務(中核事業)を縮小する(再開を視野に)
   (3)重要業務(中核事業)を撤退する(清算・倒産も選択技とする/
                             新規事業を創業)
 
 ★ “イカの沢山の足”はリスクの事象の種類
                 (⇒地震・感染症・火事・IT漏洩・テロ等)
     及び事象対策(⇒防災対策・感染症対策等)と理解する

 ★ “イカの沢山の足”の動かし方(対策)の対象範囲は、ザックリと
     2つに分け

     (1)広域の対策と(2)局所の対策 が挙げられる

 ★ “イカの沢山の足”の動かし方(対策)の事象の個別シナリオの(例)
     (1)二重化(2)代替(3)協定(4…)その他
        これをBCPでは継続戦略といいます

 ★ 再度云いますが、企業経営でBCPを“イカの体型”イメージに
    なぞらえると、
 
  (1)企業の方向性や全社のベクトルを“イカのてっぺん”だとすると
  (2)上の△は、環境のISO14001でいう環境側面の影響度評価に
     相当するビジネス影響度評価とリスク分析で、絶えずヒラヒラ
     させながら企業リスクを回避させながら前進の方向性を決定
     する舵の役目を担っている。
  (3)“胴体部分”は、中核事業(重要業務)に相当し
  (4)“イカの沢山の足”は記述のとおりです。

      

【2】“イカの体型”のBCPの理解の仕方(例)

   例えば新型インフルエンザ(感染症)の事象では、

  (1)“胴体”の重要業務(中核事業)では、事業中断に関係する
     経営資源(リソース)に設備被害はなく、人的な被害・対応・
     労務・供給責任の人繰りで考える。
  (2)“イカの足”の内、感染症対策として、人的な被害からの
     対応であるマスク・消毒対策、感染症の医療対応等に取り
     組めば良い
  (3)結果としてBCPと感染症対策の混同といった経営判断の
     誤りを防ぐのに役立つ

◆・・・いつも云う様にイカのTOPのベクトル部分の方向性は、
    企業・組織の事業継続の共通項であるダーウィンの言葉が
    業態を問わず最もふさわしいと思っています。

  “ 最高に強い種が、最高に知的な種が、生き残る訳ではない、

    周囲の変化に最も敏感に適応した種が、生き残る ”

                    ・・・ダーウィン「 種の起源 」

                                     ひぐらし戒元

◆お問い合わせ⇒https://mt3005.secure.jp/~mt3005069/c11_inquiry/?id=00007